『麺屋 ねむ瑠』の替え玉(まぜそば)を自宅で作る

飲食店砂漠 本郷三丁目・東大前

 東大に通っているととにかく困るのが食糧事情。食糧事情と言っても別にナチスドイツに包囲されたサンクト・ペテルブルグじゃあるまいに、それ相応の価格でメシにありつくことはできるのですが、いかんせん「お値打ち」な飲食店が殆ど無いんですよね。特に近年は『美味しい屋』という店を運営するチャイニーズ資本が、なぜか利権にまみれ誰も手出しができないと噂の本郷通りのテナントを次々とM&Aすることに成功し、オイスターソースと化調で濃い目に味付けられた日式中華が東大半径500メートル以内を席巻。さらにりょうくんグルメに広報してもらったと思しきタピオカ屋が観光客で大繁盛したのをきっかけとしてか、タピオカ屋が乱立戦争勃発。こうした波に煽られ、マック、リンガーハットといった名だたるチェーン店も次々と閉店し、馴染みの味ですら風前の灯。「ああ、日本は経済戦争に負けたのだな…」ということは、まさにこの東大近辺の飲食店と、われらが根城コモンズがもはや外国人観光客の見物コース、ゴリラの檻と化し、私たちがギブミーチョコレートと叫んでいることを見れば明らかなわけです*1

goo.gl

↑これが別名本郷三丁目村上ファンド、『美味しい屋』だ!

 

 こうした問題の一つを表象しているのが、美味いラーメン屋の無さ。もちろん、ラーメン屋がないとは言いませんよ。(私は好みじゃないですが)『山手』、『瀬佐見』、『家家家』といった古豪、最近できた蘭州ラーメン屋、少し足を伸ばしたところにある二郎インスパの雄『用心棒本号』…それなりに評価の高いラーメン屋は多いです。ですがね、近年のラーメンのトレンドたる濃厚煮干し系を押さえたラーメン屋が、この本郷三丁目近辺には絶無だったわけです。そう、『麺屋 ねむ瑠』ができるまでは…

 

『麺屋 ねむ瑠』賛歌

 『麺屋 ねむ瑠』が何が素晴らしいのか。エクスキューズをつけずに『ああ、美味いな…』と言えるラーメン屋がとうとう本郷に出来たということです。何食っても美味いですからね。イカ煮干しが効いている濃厚、丸鶏の滋味が広がる淡麗、どっちも無化調とは思えない旨さです。もう俺は化調とチーユでなんとかスープのスカスカをごまかした家系を食う必要はないんや…

tabelog.com

 そしてこの店のメニューで個人的に一番イケてると思うのは「替え玉」なんですよね。釈迦に説法ではありますが、写真を見ていただけるとおわかりのように、替え玉にさにあらず、もはや「油そば」と形容しても良いようなビジュアルなわけです。これを手元においてある山椒油をかけまくってズビビンズビンとすすれば、ピンで成立するメニューの出来上がり。一玉が少し少なめなのも相まって、行くたびに替え玉180円を頼む始末。もはや、私は替え玉を食べに通っていると言っても過言ではありません。

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限りなくまぜそばにちかい『替え玉』(https://tabelog.com/imgview/original?id=r4123270748839)より引用

 しかしこの替え玉、構成要素を見ると(替え玉なんだから当然ですが)すごい単純です。麺+タレ+チャーシュー+玉ねぎ+煮干し(+山椒油)のみで構成されており、それぞれの作り方も容易に想像できます(少なくともスープよりは)。「これなら作れるのでは?」と思って試してみたら、案の定それっぽいものは作れることがわかったので公開します。ここまでが長い前置き。

『麺屋 ねむ瑠』の替え玉(まぜそば)の作り方

用意するもの(2人前)

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用意するものすべて

中華麺(細ストレートが最適・今回はハナマサPBのつけ麺用太麺)

  • 2人前(300g)

A(タレ1群)

B(タレ2群)

  • ラード(サラダ油で可)…20g
  • 山椒…適量

  • 豚肉スライス…120g
  • 煮干し粉…適量
  • 玉ねぎ…中1/8

作り方 

  1. 玉ねぎをみじん切りにし、水に晒す。30分後にザルにあけ、水気を切る
  2. 豚肉スライスを沸騰したお湯の中に入れさっと湯がき、ザルにあける
  3. A(タレ1群)を鍋に入れ、アルコールが飛ぶまで煮切る
  4. 茹でた豚肉スライスと、A(タレ1群)をジップロックの中に入れ、チャーシューを作る。空気を抜いて密閉し、1時間以上放置(この状態のものが写真に載っています)。
  5. 中華麺を沸騰した湯の中に入れ、茹でる

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    当然お湯が多いほうが良いのですが、限界文系院生はガス代もケチらねばなりません。くっつかないようによくかき回しましょう
  6. 茹でている間に、チャーシューを漬けているA(タレ1群)、B(タレ2群)をボウルに入れ、レンジ(600w)で40秒加熱する

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    山椒はこんなもんです(も少し入れても良い)。なお今回の写真は1人前で撮ってます
  7. 麺が茹で上がったら、ザルにあけ、水気を切った後、レンジから出した5の中に麺を入れ、よく混ぜる

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    どうでもいいですが、このイケアのパンチホールザルは良いです。おすすめ。
  8. 麺を丼に移し、チャーシュー・煮干し粉・刻みタマネギをトッピングして完成。好みで胡椒をかける

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    完成。チャーシューが手抜きのため見栄えは悪いですが、味に問題はありません。

tips

  • 環境にもよりますが刻み玉ねぎは冷蔵庫で3~4日、チャーシュー+タレは1週間程度持ちます。
  • 今回は簡易版のため、チャーシューと山椒油をそれぞれタレと同時作成とし手を抜いてますが、本式に作る場合はそれぞれ別に作業が必要です。前者については豚肩ロースブロック500gを購入し、61度6時間で低温調理した後、醤油ダレに漬け込んでください。漬け込んだものをサイコロ状に切れば良いです。後者については温度を120度に上げた植物油100gを、粉山椒20gを水適量で練ったものに、少しずつかけることで抽出してください。それぞれ以下のサイトが参考になります。

    nick-theory.com

    www.youtube.com

  • 化調を使うのは無化調をうたう『麺屋 ねむ瑠』の再現としては不適切なのですが、やはり入れたほうが味が決まりやすいです。入れない場合は、麺つゆを微量入れるなどして調整してください。
  • 麺は手持ちにあるのを使ってください。今回はハナマサのつけ麺用の麺で試してみましたが、これでも美味いです。余談ですがこのハナマサ麺は自宅で二郎インスパを作る際も最適だと思います。
  • ライティングもろくにせずスマホで撮ってるので見た目が良くない丸。次回の反省点。

 

 

*1:生協食堂は論外